蕎麦と山葵

わさびですがちょっと調べてみました。ちなみに, 日本自生です。

  1. 最古の記録は延喜式(延長5年 927年)で, 山城の国からの献上の記録が ある。
  2. 本朝食鑑(元禄8年 1695年)が和名類聚抄に記載を引用している。また, 至るところに生えているとの記述がある
  3. 和漢三才圖會(正徳3年 1713年)に「蕎麦にかくべからず」との記述が ある。

ということで, 少なくとも寺島良安の時代には, 蕎麦と, わさびは, 組みになっ て使われていたようです。

また, 延喜式(まだ読んでません)に記録があるようですから, 鱠につかってい たのではないでしょうか。

蕎麦が, 蕎麦きりになるのは江戸時代に入ってからで, その前は, 今で言う, 蕎麦かきの形態で使用されました。また, 平家の落人の話に, 蕎麦の花(白)を 源氏の旗印と見間違える話がありますから, 栽培自体は昔から行なわれていま した。で, その当時は, 所謂蕎麦米として食されていたようですから, わさび との出会いはないでしょう。その辺を勘案すると, 蕎麦の薬味としてわさびが 使われるようになったのは, 江戸時代にはいってからで, 本朝食鑑にそばとわ さびの記述がない所から, 1700年代にはいってからではないでしょうか。ちな みに, 本朝食鑑では蕎麦の薬味として大根下ろしの汁で蕎麦を食べるとの記述 があります。わさびも, 大根も, 十字花植物(あぶらな科)ですので, 大根の汁 からわさびに移行したと考えるのが自然ではないでしょうか。

参 考
日本食物史

souketsu@moroo.com
Last modified: Mon Jul 12 08:18:17 JST 1999